戦国巫女風雲記

[道中にて 弐](1/23)

―京を出て直ぐ。

立ち寄った茶屋でのんびりしていると、ある噂を聞いた。

「妖怪を祓う凄腕のお坊さんが最近この辺りに来てねぇ…。」

「そうなんですか…。」

「それに其処にいるお兄さん達にも引けは取らないくらい、若くていい男でねぇ…。」

うっとりとする店主。

「は…はぁ…。」

どう反応すればいいのか解らず、適当な相づちを打ってしまった。

「御陰でこの辺の妖怪はみんな居なくなって…平和なもんだよ。」

「!皆…ですか?」

「そうさ!巫女さんの出番は残念ながら無いねぇ…。」

笑いながら奥へ戻って行った。

「……。」

「…玲稟殿、如何致しましたか?」

「…いえ…今のお話、少々気になって…。」

団子を食べる手を止める。

「美形の坊さんがか…?」

「其処ではなくて…。」

「…妖怪を皆退治してしまった…という所ですね。」

お茶を飲み干し、蘭丸さんは淡々と言う。

同じように感じたのかもしれない。

「全て退治…問題、あるのか?」

「問題があると言えばあります…。」

「何だ?曖昧な言い方をするな。」

「……。」

妖怪…人に害を為す妖怪を退治するならば問題はない。

しかし―…。

罪もなく、ただ生活する妖怪まで退治をしてしまえば…報いを受ける事になるだろう。

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