戦国巫女風雲記

[小田原にて](1/37)

―小田原、小田原城城内。

ある部屋で見た目初老位の男と、鼻までを隠す面をつけた男が密談を行っていた。

「…ではくれぐれも頼んだぞ。」

「…御意…。」

命を受けた面を付けた男は闇の中に消えていった。

「くくっ…愚かな男だ。私が偽物だと気づいていながら…。」

初老の男の高笑いだけが城内に響きわたった。

――――

奥州を出て五日。

「あー…馬が使えないってのはこんなに大変だったんだな。」

「慣れれば大丈夫です。」

相手方の出方も考えて、野宿をしながらゆっくりと進む。

「お二人とも、町が見えてきましたよ。」

小高い丘に登ると町がよく見えた。

見えましたが…。

「…凄い妖気…。」

結界は張られてはいないものの、城の方から妖気を感じる。

「…雷轟が言ってるぜ。気をつけろってな。」

「私にも…妖狐の強さが感じられます。」

後ろから聞こえる声に小さく頷いた。

「…先に、進みましょうか。」

止まっていても仕方がない。

小田原に住む民、そして雪女…妖怪たちのためにも。

私達は進まなければ。

丘を過ぎ、森の中を進む。

颯爽と生い茂る木々たちが日差しを遮り、まだ昼間だというのに暗闇を作り出していた。

「…幸村、気づいてるか。」

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