戦国巫女風雲記

[越後にて](1/23)

甲斐を出て七日。

何事もなく順調に進み、春日山城が見える距離まできた。

「玲稟殿、もう少しですよ。」

「はい。」

山道を歩くことには慣れているものの、やはり殿方の体力には勝てない。

幸村さんに付いていくのでやっとだ。

「…玲稟殿、しばしここで止まってください。」

「?」

幸村さんが急に歩みを止めた。

「…甲斐の真田幸村殿か?」

「きゃ…!」

突然上から黒装束の忍者が現れた。

思わず声を上げてしまった。

「如何にも、私が真田幸村だ。」

「…兼続様や謙信様からは何も伺っては居りませぬが…何用で越後に?」

忍者は辺りを見渡しながらこちらに近づいてくる。

「今この越後には悪霊や妖怪が蔓延って居り大変危険です。…今ならまだ引き返すことも…。」

「…ご忠告感謝致します。しかし私達に心配は御無用。謙信公と直江殿に今から向かうとお伝え下さい。」

「…承知しました。」

忍者は瞬時に消えた。

「あ、あの幸村さん…今の方は?」

「謙信公直属の忍です。この辺り一帯を守護しているのです。」

「そう言えば…。」

上杉に忍ありと聞いたことがある。

戦が終わってもそれは健在と言うことなのだろう。

「連絡は取れました。このまま春日山城に向かいましょう。」

「はい。」

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