戦国巫女風雲記

[序章](1/2)

――甲斐の国

山々に囲まれ、富士の山並みも望める地。

その地の、ある山奥。

其処には由緒正しい神社があった。

名は八雲高嶺(やくもたかね)神社。

天照大神を祀り、その御加護を欲する人達が今日もあとを断たない。

「…今日も随分多くの方々が来ているね。」

「はい、義父上。」

「これではやはり玲稟(れいりん)には此処で…。」

「いいえ。私は参ります。」

八雲高嶺神社にて巫女を務める私の名は玲稟。

境内に捨てられていた赤子だった私を、現神主である安倍光明様が育ててくださいました。

玲稟と名付けてくれたのももちろん義父上で。

明(中国)が大好きな義父上は其れらしい名前を付けたのだ、と胸を張って答えていたのを今も覚えています。

「だが玲稟一人に行かせるのは…!」

「大丈夫です。私には天照大神の御加護がついていますから。」

義父上を無視して私は旅支度を続ける。

「…はぁ…本当に行ってしまうのだな…。」

「…義父上、義父上だってわかっているはずです。」

部屋から参拝客を見る。

「…日に日に増える参拝客が、何を恐れているのか。」

「それは…。」

「…私にはその恐れを…悪霊や妖怪を消す力があるのです。」

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